ふぐ卵巣のヌカ漬け
ふぐの精巣は白子として重宝されているのに対して、ふぐの卵巣には猛毒があるということでふぐの精巣とは打って変わってふぐの卵巣は嫌われ者でした。
ですが、なんとそのふぐの卵巣をもおいしく食べてしまう地方料理が石川県にあり、その名もふぐの卵巣のヌカ漬けといいます。
ふぐの卵巣には毒があるのなら、毒がなくなるように料理して、本来は食べられないとされているふぐの卵巣を食べてしまおうというその心意気には感心するばかりです。
こうして、ふぐの卵巣も、愛されるふぐの珍味となって登場することになりました。
石川県の加賀地方では、ふぐの卵巣以外でもその昔から非常食として、いわしやにしんなどの魚をヌカ漬けにする独特の技術と風習を持っていて、食べ物を長期保存するための知恵を持っている地方でした。
非常食としてヌカ漬けにしたそれらの魚は、冬の漁に出られない時期などの食料として保存しておいたのです。
ここ石川県では、ヌカ漬けを作るための気候と合っていて、風味も抜群な状態に仕上げることができました。
その実績があって、ふぐの卵巣のヌカ漬けは、石川県だけで作ることが許可されていて、昔からのヌカ漬けの作り方を守りながら、現代でも作られています。
ふぐの卵巣のヌカ漬けは、ふぐの卵巣を1年くらいかけて塩漬けにし、そこへイワシの塩汁や麹を加えたヌカに漬け込みます。
このまま漬け込むこと2年なのですが、しっかりと重石をして、発酵させておけば、ふぐの卵巣のヌカ漬けの完成となります。
卵巣は塩漬けにされている最初の1年の間にほとんどの毒が卵巣の外に出てしまいますが、まだ残っている毒もヌカ漬けにしたときに、ヌカに含まれている乳酸菌や酵母の働きできれいに分解されてしまうそうです。
石川県でのみ作られているふぐの卵巣のヌカ漬けは、原料となるふぐの卵巣そのものが貴重で、さらに作り方を見てもわかるようにかなりの年数を必要としますので、とても貴重なふぐ料理となっています。
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